子どもに教えたい!日本の神様
特別な信仰心が無くても、初詣や七五三、季節のお祭りや観光などで神社へ行かれる方は多いと思います。そんな神社にいる神様…。そもそも神様とは?子どもにわかりやすく教えたい日本の神様についてまとめました。
神様はどうやって生まれたの?
海に囲まれた島で古くから稲作など農耕を行い生活してきた日本人にとって、山や川など自然の全てが自分たちに大きな影響を与える存在でした。自然がもたらす恵みへの感謝や、災害を引き起こす大きな力を恐れる心から 『人間とは異なる存在』を自然の中に見て、信仰する心が生まれました。太陽・海・山、風や土 この世に存在する全てに神様が宿っていると信じ『八百万の神(やおよろずのかみ)』と呼び、敬ってきました。
次第に天皇を中心とする「国」が生まれ、その「国」の誕生を多くの人に伝えるために歴史書『古事記』『日本書紀』がつくられました。「神様がどのように国を生み出したのか」「どのような神様が存在するのか」など… 人間とは異なる存在が、姿や名前をもった神様として記されています。天皇が神々の子孫であるとアピールして人々を支配する目的もあったでしょうから、書かれていることが本当かどうかはわかりません。ですが、昔から自然と共に生きてきたこと、ご先祖様のおかげで今があることを伝えており、どの神様も個性的で人間らしく魅力的、ツッコミどころも満載!のとても面白く素晴らしい物語です。
神様と仏様は違うの?
神様は古くから日本人が大切にしてきた自然そのものや、自然の中に見た『人間とは異なる存在』です。一方で仏様は古代インドで生まれた「仏教」において悟りをひらいた聖人『ブッダ』を指します。なので、神様と仏様は異なる存在です。
しかし、神様と仏様…実は深い関係があるのです。仏教が外国から日本へ伝えられた頃、ほとんどの人が仏教についての知識がなく 外国からきた神様、日本の神様の仲間として受け入れ、どちらも有難いものとして手を合わせるようになりました。
神道と仏教が一緒になった「神仏習合」という考えによって、神社に神様を救うための寺院『神宮寺』というお寺をつくったり、逆に 神様が仏様やお寺の守護神になる『鎮守社』という神社がつくられました。そして平安時代に入ると、仏様は日本の神様の真の姿であり、神様と仏様は同じなのだという考えが生まれました。
しかし明治時代になって「神仏分離令」神様と仏様は きちんと区別しなければならないという一連の法律ができて、神社とお寺は別々になりました。
どんな神様がいるの?
歴史書『古事記』に書かれている日本神話では、たくさんの神様が登場します。神様同士が結婚したり、大喧嘩をしてみたり… 神様=優しくて強い完璧な存在 とイメージしてしまいますが、なんとも人間らしく それぞれに長所や短所があったりします。
ここでは、一度は名前を聞いたことがあるような代表的な神様をいくつか紹介します。
天之御中主神(アメノミナカヌシ)
アメノミナカヌシという名は『宇宙の真ん中にいる神様』を意味しています。
天と地が分かれたとき最初に現れた、日本の神々すべてのはじまり神様です。
宇宙の真ん中にいる神 アメノミナカヌシ すべてのものを生みだし再生する力をもつ結びの神 タカミムスヒ・カムムスヒ の3柱(神様は「柱」と数えます)は『造化三神』と呼ばれます。
この世界の誕生に関わっていることから、安産のご利益で知られる水天宮に祀られるようになりました。
※仏教では『妙見菩薩』と呼ばれています。
伊邪那岐命(イザナギノミコト) 伊邪那美命(イザナミノミコト)
イザナギという名は『いざなう男』 イザナミという名は『いざなう女』という意味です。
日本の国土を生みだし(国生み)、多くの神々を生みだした 日本で最初に夫婦になった神様です。
妻のイザナミは火の神 カグツチ を産むときに大やけどを負い死んでしまいます。イザナギはイザナミを連れ戻すため黄泉の国(死者の国)へと追いかけますが、美しかった頃の面影もない変わり果てた妻の姿を見て逃げ帰るのです。そして身体を清めるために行った禊ぎをしたときに生まれたのが アマテラス・ツクヨミ・スサノオ です。
イザナミはその後、死を司る黄泉津大神(よもつおおかみ)となりました。
天照大御神(アマテラスオオミカミ)
神々が住む高天原(たかまがはら)を治め、豊かな恵みをもたらす太陽の神様です。
黄泉の国から戻ったイザナギが左目を清めたときに生まれました。
弟スサノオの繰り返される悪行に 今度ばかりは許さないと岩屋(崖に空いている洞穴)隠れ世界が闇に包まれる「天岩戸神話」が有名です。
その後、孫のニニギに葦原中国(あしはらのなかつくに)を治めるよう命じ、そのニニギの子孫カムヤマトイワレビコ(神武天皇)が初代天皇となった為 アマテラスは天皇家の祖神(おやがみ)とされています。
※葦原中国とは記紀の伝承において、人間の住む この日本の事。天上の高天原と地下の黄泉の国との中間にある地上の世界の事です。
天皇家の祖神として伊勢神宮の内宮へ、そして日本国民の総氏神として伊勢神宮から分霊され全国の神明神社などに祀られています。
須佐之男命(スサノオノミコト)
スサノオという名は『荒ぶる』からきています。
黄泉の国から戻ったイザナギが鼻を清めたときに生まれました。
イザナギから海の上を治めるよう命じられたが、死んだ母に会いたいと泣き続け仕事をおろそかにして追放される。姉が治める高天原でも悪行を繰り返し、最終的に追放される。しかし その後、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治しクシナダヒメを救った英雄になる神様です。その際、八岐大蛇の尾から現れた剣が『草薙剣(くさなぎのつるぎ)』正当な皇位の証として古代より歴代天皇に継承されている『三種の神器』のひとつです。
大国主神(オオクニヌシノカミ)
オオクニヌシは、「因幡(いなば)の白兎」の 神話で知られる、たくさんの兄がいる末っ子で とても心の優しい神様です。スサノオから6代目の子孫とされています。
オオナムヂ(のちのオオクニヌシ)は、意地悪な兄たちが結婚を申し込んだ 因幡のヤガミヒメから結婚相手に選ばれたことで、兄たちに恨まれ殺されてしまいます。母の力によって生き返る事が出来ましたが、またも命を狙われ スサノオが住む「根之堅洲国(ねのかたすのくに)=黄泉の国」へ逃げました。そこで出会ったスサノオの娘 スセリビメと恋に落ちます。オオナムヂはスサノオから試練を与えられますが、スセリビメに助けられ結婚を許されます。そしてスサノオから『オオクニヌシと名乗り、出雲に戻って葦原中国を治めよ』と命じられ、葦原中国を豊かな国にしたのです。
のちに葦原中国はアマテラスの子孫に譲られることとなりましたが、代わりに出雲に立派な神殿を建てもらい静かに暮らしました。これが現在 島根県にある『出雲大社』であると言われています。
※名前が「だいこく」と読めることから七福神の一人『大黒天』と結びつき 同じ神様との話もありますが、大黒天はインドから伝わったものなのでオオクニヌシとは別の神様です。
邇邇芸命(ニニギノミコト)
ニニギという名は『にぎにぎしい=にぎやか』を意味しています。
「天孫降臨」神話の主人公で、アマテラスの孫にあたります。
アマテラスは、地上の世界である葦原中国を治めるようニニギに命じました。その際『三種の神器』と呼ばれる 八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草薙剣(くさなぎのつるぎ) を与え、自分が頼りとする天津神(高天原の神様)を同行させました。国津神(葦原中国の神様)のサルタビコの道案内で幾重にも重なる雲をかき分けながら ニニギたち一行は、地上である九州の高千穂峰へ降り立ちました。この時 ニニギは高天原で育てた神聖な稲を授かっており、地上に稲作をもたらしたとされています。
その後 コノハナサクヤビメという美しい娘に出会い、一目惚れしたニニギは結婚を申し込みます。コノハナサクヤビメの父 山の神オオヤマツミは、2人の結婚話に大賛成します。ところが、姉のイワナガヒメも一緒に結婚させたいと送ってきたのです。しかし妹と違って容姿が美しくなかった為、すぐに送り返してしまいます。実は姉妹2人と結婚すれば、ニニギは子孫繁栄と共に永遠の命が得られるはずであった。
このように美しくないイワナガヒメを送り返したり、コノハナサクヤビメが身籠った際には「本当に自分の子か?」と疑いの目を向けたりと 何とも人間らしい神様です。
宇迦乃御魂神(ウカノミタマ)
ウカノミタマの名の「ウカ」は食物や穀物を意味し、広く『お稲荷さん』として知られており 食べ物を司る豊穣の神様です。伊勢神宮の外宮に祀られるトヨウケビメと同じ神格を持ち、女神ともおじいさんの神ともいわれます。
稲荷神といえば狐のイメージが強いが、狐はあくまで神様のお使いです。狐である理由は、畑の作物を荒らすネズミを食べてくれる、尻尾が稲穂に似ている等 様々な説があるようです。
また、ウカノミタマの兄 オオトシも穀物の神様です。豊年満作によって一年間の幸せをもたらしてくれる福の神であることから『年神様』と呼ばれています。お正月に門松を立て、鏡餅をお供えするのは 家にやってくる『年神様』を迎えるためです。
参考文献
キャラ絵で学ぶ!神道図鑑(2020) 株式会社すばる舎
みんなが知りたい!日本の神さまと神社(2024) 株式会社メイツユニバーサルコンテンツ